ジョブズが「大衆の期待を直感的に読みとった」だって?そんなこたぁない.

Steve Jobsが亡くなって,彼についていろいろな論説がなされている。誰が何を言っても構わないが,よく考えもせずに底の浅い話を作り上げるのは願い下げだ。10月10日の朝日新聞に「ジョブズが残したもの」という評論(?)が掲載された。東京芸大の准教授の藤崎圭一郎という人が書いたものだ。この著者は「デザイン論」というのが専門らしいが,どんな学者か私は知らない。ともかく,その記事は私に言わせればひどい内容のものだ。

まずタイトルに偽りありで,ジョブズが何を残したかを明示していない。これが最初の突っ込みどころ。しかし,全体を通してありきたりの事実と通説と根拠の無い独断に終始している。したがってまるで説得力がない。私がもっとも気に入らないのは,

大衆の期待を直感的に読みとって、それを即座に表現できるのがスターであるとすれば、ジョブズはスターである。

という文章である。この「スター」の定義もおかしなものだが,それは別にしてもジョブズが「大衆の期待を直感的に読みとって」とは浅薄な断定だ。iPhoneは革命的なデバイスで世界を変えたが,それは大衆が期待していたデバイスをジョブズが感じて作ったものだったのか?全く違う。Macintoshは大衆が期待してたものだったのか?違う。両者ともジョブズ=アップルが創造して,新しい道を切り開いたものだ。この人はジョブズのイノベーションということを全然分かっていないと断定しよう。

なぜこの人がこのような記事を依頼されたのか分からない。自分がよく分からないことを適当に書くしかないのであれば,断る勇気も必要だろう。

iPhone 4SそしてSteve Jobsの死

新しいiPhoneがいよいよ発表されるという噂はずっと前から飛び交っていたが,とりわけ9月になるとそれはいろいろな情報とともにさらに数多く語られるようになっていった.新しいiPhoneがいよいよだということはこのblogでも書いた.しかし,なかなか発表されない.私はひょっとしてSteve Jobsの病状が悪化して,iPhoneのイベント開催のタイミングをつかみ切れないのではと疑っていた.そしてもうこれ以上は伸ばせないだろうという日程でのiPhone 4Sの発表とその翌日のSteve Jobsの死.彼の病状が全てを決めたとは言い切れないまでも,Appleにとって決して無視できない状況であったことは容易に想像できる.そういえば,ソフトバンクの孫社長が9月30日の新製品発表会で浮かない顔をしていた.そのときはauからもiPhoneが発売されるからだとの憶測があったが,実はSteve Jobsの状態を知っていたからではないか.

Steve Jobsの業績については誰もが認めるところだ.彼と同時代を過ごしてその革新的な製品の数々の恩恵をあずかったことは幸運というべきだ.彼のような才能に恵まれてアグレッシブに行動する人を見ると,私も自分なりに日頃の怠惰を反省せざるを得ないのである.

このようなときに私は時々思うのだが,遠い過去に何も無い中で宇宙がビックバンから始まったとして,そうしてここに知性を持った我々がいる.そこに芸術があり,イノベーションがあり学問がある.これは一体どういうことなんだろうかと…

これは犯罪ではないのか?

今度の原発事故で分かったことは多々ある.いちばん大きなことは電力会社というのは優遇されているということだ.特に関心がなければ誰も電力会社の経営のこと何ぞは気にかけないのではあるが,独占企業であり,さらに絶対儲かるように電力料金を決められるというは驚いた.そして天下りの受け入れ.

これでは名ばかりの「民間企業」だ.もちろん役所でもない.役所ならば働いている人間は公務員でありその資産は公共のもので,役所にまつわる多くのことが監視の対象になる.しかし東京電力は違う.公共性は高いとはいえ「営利企業」として認められている.その一方で,電力料金という「税金」を持ち,しかもその額を自ら決めることができるだ.ここで「税金」と書いたが,その理由は実際のところわれわれは東京電力のいうがままに電力料金を支払うしかなく,それ以外の方法は選択できないからだ.支払う側からいえば税金と同じ扱いだ.

そしてさらに分かったことは,この優遇にもかかわらず彼らに対するチェック機能は杜撰(ずさん)だということだ.この記事を見て怒りがこみ上げてきた.

電気料金原価、6千億円高く見積もり 東電、10年間で

記事によれば「修繕費」というものを毎年実情よりも毎年多く計上して,それを電力料金の言下に上乗せしていたという.1,2年程度なら言い訳もたつかも知れないが10年というのは完全に確信犯だ.上に挙げたような東京電力に対する優遇に鑑みれば,電力ユーザーにとってはこれは完全に犯罪だ.私は法律にはまったく暗いが,刑事罰にあたいするようなものではないのか.

今度の事故を受けて東京電力の経営陣は総退陣すべきとの意見を聞く.実際,国会に提出した報告書がほとんど黒塗りであったり,被害者保証の書類が人を馬鹿にしたようなものであったりと,ちょっと常識では考えられない東電の対応を見てきたが,このニュースを聞いて経営陣の総退陣とともに過去に遡っての不正の摘発・指弾というものが必要だ.

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